●葛飾北斎の台詞の元ネタ


FGOの「葛飾北斎の台詞の元ネタ…であろう絵や事柄」を紹介してみます。



▶「ジル・ド・レェ」所持

「出目金面のひょうげた男がいるだろう?
じるどれえ、とかいう。
あれが『ぉお素晴らしい、神絵師ならぬ邪神絵師ですとおお!』
とか絶叫して供物を持参するってから丁重に断った。
それでおんおん泣きやがるんでなだめて額に落書きと、
さいん?をしといた。
雅号は『紫色雁高(ししきがんこう)』でな。」

北斎は春画を書くときに「鉄棒ぬらぬら」、「紫色雁高」
などの名義を使っていたので…元ネタはそれだね。
ちなみに「紫色雁高」というのは「男性器が立派な事」の隠語らしく…「雁高」は、男性器の上部分の高さの事を言うそうな。


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▶「酒呑童子」所持時

「ひっく……ふぅ。ごめんよ、ちょいと呑んできた。
大江山の鬼もナァ、かるであじゃ可愛いらしーくなるモンだナァ。
中身の方は……ま、確かにバケモンだったが。
はは……ぐすっ……ああ、湿っぽくて悪ぃな。
切禿きりかむろの女童めのわらべは、
まだ素面シラフじゃ見れねぇや……。」

ここで言っている「切禿の女童」は、
おそらく北斎の四女「お猶」のことじゃないかなぁ?
北斎やお栄(応為)を題材にした漫画『百日紅』では、切禿の童女だし…盲目でお栄との感動するエピソードもあるらしいし…。
漫画も映画も見てないから、ちょっと分かんないけど…ニコニコ動画にも「お猶の事じゃね?」っていうコメントがあったし…たぶんですが…。


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▶「牛若丸」所持時

「ま、ますたあ殿? 随分と傾かぶいた……
というかすっぽんぽんの若武者がいたが、ありゃあ九郎義経かい?
そりゃ壇ノ浦もちらとはやったが、
それより九郎の叔父の鎮西八郎だったらおれぁ何べんも描いたのさ。
滝沢馬琴の読本、『椿説弓張月』の挿絵でな。
そうか……八郎もあんな感じで描き直すか……。」

鎮西八郎というのは、平安時代の武将「源為朝」。
源義経や頼朝の叔父だね。
北斎は、滝沢(曲亭)馬琴の小説『椿説弓張月』で、
挿絵として源為朝の絵を描いているので…それが元ネタだね。
この本はメッチャ売れたので、北斎は「本のおまけだろww」な
扱いでしかなかった「挿絵」の評価を格段に引き上げた人物と言われている。
今でも、本にカワイイ女の子の絵があると売れたりするもんね。


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▶「アビゲイル」所持時

「ほほー、『ふぉおりなあ』てのは一人じゃねえのか。
黄金の髪ぐしの南蛮娘、あびげいる……
おどおどしたりしゃちこばったりと忙しいなァ。
あ? そう言わず漫画でも描いておやりって?
……面倒だが、ますたあ殿がそう言うなら仕方ねェ。
けど、南蛮人相手には一文だってまからねェよ?」

これは「北斎とシーボルトの絵をめぐるトラブル」が
元ネタだろうね。
1826年…オランダの長崎商館長が江戸に向かった時、北斎に「日本人男女の一生を描いた絵」2巻を150金で依頼したよ。
そして随行の「医師シーボルト」も同じ2巻を150金で依頼。
依頼の品を完成させた北斎は、商館長から150金を受け取るが…
シーボルトは「僕は安月給だから半額にしてよ」と北斎に交渉。
それに北斎は「そういうのは先に言いなよ。半額だと、また出来が変わるんだから。」とちょっと怒る。
続けて「じゃあ、1巻だけ買うから。いくらで売ってくれる?」
とシーボルト…
シーボルトの発言に怒った北斎は、2巻とも持って帰っちゃうよ。
これを知った北斎の妻は…「生活が苦しいんだから、安い値段でも売らないと!」と北斎パパを注意したよ。
これに対し北斎は「苦しいのは分かってるが、南蛮人に“日本人は人を見て値段を変える”と思われるのは嫌なんだよ」と答えたそうな。
後日、商館長がこれを聞いて「うちのシーボルトがすいません」ってな感じで追加の150金を払い、2巻を受け取ったよ。


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▶「呂布奉先」所持時

「呂布という唐人……あのあたらデカい武将だ。
あれにな、おれが筆を執った関羽の事を尋ねてはみたが、どうだ。
話がまっったく分からねえ!」

「筆を執った関羽」は、北斎の娘「葛飾応為」ちゃんが描いた
『関羽割臂図』のことだろうね。
『三国志演義』における「腕に毒矢を受けた関羽を、
名医・華陀が小刀で骨に付いた毒を削り取って治療する場面」を描いたものだよ。
演義的にも、史実的にも呂布はこの時点ではもう亡くなってるから…「どうこの絵?」って聞いても反応に困ると思うけど…。


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▶「玉藻の前」所持時

「いーや、あれは天女様だ。
間違えるなんて失礼だ。
確かにとと様はダキニ天も殷いんの妲己だっきも描いてたが、
どうせ唐国の図版の引き写しだろう?
それもまた画工の空想だ。
かるであは読本より奇なりさァ……!」

このセリフの元ネタは、北斎が描いた妲己のことだね。
スケッチ画集『北斎漫画』で古代中国の「妲己」を描いているよ。
この画集における妲己は「九尾の狐が化けた姿」
として描かれていね。
この表現は「日本において妲己が玉藻の前伝説と結び付けられた」からだね。
伝説を簡単に説明すると…
中国の悪女「妲己」は実は狐の化け物で、インド行ったり、
また中国行ったりして、最終的に日本に来た…という流れだよ。 
他にも『三国妖狐伝 第一斑足王ごてんのだん』では、
玉藻前の前身である天竺(インド)の「華陽夫人」が、
九尾の狐の正体を現して逃走する図…が描かれているよ。




ドイツ軍は読本より奇なりさァ……!
北斎さむね







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